11月3日より開催の展覧会



「午前5時、木と官能」
出展作家:城蛍 × 魚メ
会期:2021.11.3(水・祝)-11.8(月)
開廊時間:11.3(水・祝)17:00-20:00
     11.4(木)-11.7(日)13:00-20:00
     11.8(月)13:00-17:00
     ※開廊時間が変則的なためご注意下さい。
会場:rusu 
   東京都目黒区下目黒3-4-9
   JR「目黒駅」西口より徒歩9分
   東京メトロ南北線、都営三田線、東急目黒線「目黒駅」正面口より徒歩9分
   東急目黒線「不動前駅」より徒歩9分


私、城蛍と魚メの作品の共通点は二つある。

一つは木材を主な素材として使用していること。木本来が持つ生々しさ。そこに少しの官能的要素 を感じ、私たちは木材を作品に使用している。そしてもう一つは、自身の内面にある負の感情を作 品にすることで発散していることだ。それぞれの抱えている怒り、悲しみ、悔しさ、弱さを、制作 の過程で放出している。

しかし、その発散方法はそれぞれ違う点がある。

まず私、城蛍の作品は、一見すると穏やかで、静かに佇んでいるように見えるだろう。確かに私の 絵画は、薄塗りの淡い絵具を交えながらゆっくりと細かく重ねた手数を与えることで、静かで整頓 された空間を作り出している。しかし、その静けさの中には強い毒を含み、その強さのあまり作品 は自由に変形している。毒とは他者の抱えている負の感情であり、その者たちが見ている光景がモ チーフとなる。作品にする過程で、私というフィルターを通すことによって、彼らの抱えている毒 が薄まり、負が浄化される。

それに対して、魚メの作品は一見とても感情的だ。絵の具の荒々しさは衝動的で、作品の表面には 至る所に引っ掻き傷があり、画面や形態は崩壊と再生を繰り返しているようにも見える。しかし、 その中に少女たちの穏やかな眼差しや花や木といったモチーフが現れ、まるで崩壊しかけた作品を 再生させているかのようにも思える。

本人曰く、自身が歳を重ねることへの抵抗として、彼女の作品には少女が登場するという。そう、 絵画の中では皆不老不死なのだ。作家が抱く怒りや悲しみが、少女たちへの憧れを強くし、力強く 感情的に作品の上で発散されている。

ここまで読んでいただけるとわかるように、感情の発散という目的は同じだが、それぞれの発散方法はまるで正反対のように思えるだろう。

今回の展覧会では、城蛍、魚メによるそれぞれの作品に加えて、両作家の共作を展示している。私 が魚メのもつ衝動にかき立てられ、魚メが私のもつ冷静さにより落ち着きを得ることで、シナジーを起こす瞬間がある。またはその逆、アナジーが起こることもあり得なくはない。

城蛍

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